医者が書く本と言えば、「こうすれば治る!」と独自の治療法を紹介するものばかりだが、発売1か月で3万8000部を突破したこの本は違う。京都大学大学院医学研究科消化器外科医の山本健人氏が上梓した『医者が教える正しい病院のかかり方』は、病院にまつわる初歩的な疑問の数々に丁寧に答えた内容で、“気になっていたけど先生には聞きづらかった”と読者の共感を集めているという。今回は特別に山本氏が、多くの人が気になるであろう疑問5つに答えてくれた。
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【Q:病院にはどんな服装で行けばいい?】
多くの患者さんが気になっているのになかなか医師に聞く機会がない質問のようですが、実は医師の立場からすると、受診の際の服装は診察の質を左右する重要な問題です。
この時期、年配の方は防寒のために着込んでいることがありますが、診察時に聴診器を当てるには胸や背中を、捻挫や怪我、関節痛などの場合では、患部を露出する必要がある。脱ぎ着がしにくい、聴診器を当てにくい、患部を見にくいような服装は、患者さんが100点満点の診察を受けられないことがあります。
厚着をするなとは言いません。ただ、診察の直前には上着を脱いでおいたり、腹巻きを取っておく、ネクタイなどをしている場合はそれも外しておくとスムーズに診察を受けられます。
突然の診察でなければ、病院に行くときは患部を露出しやすいゆったりしたTシャツやトレーナーなどの服装が理想的です。