実家を離れて早ウン十年──家に自分の荷物を置きっ放しという人は少なくない。「そろそろ終活で荷物の整理をしたいから、あなたの荷物をなんとかして!」と、親に言われるその前に、重い腰を上げてみませんか? 実家は永年無料のトランクルームではないのですから…。
◆わが子の置き去り荷物に悩む母親が6割に
総務省による調査では、東京都の住宅面積は茨城県の3分の1。都市部での収納は坪単価の上昇により、どんどん狭くなっており、「それが子供が独立後も実家に荷物を置きっ放しにするのに拍車をかける要因となっている」と、捨てない整理収納アドバイザーの米田まりなさんは言う。
宅配型収納サービス『サマリーポケット』による調査では、住まいは別にあるのに、実家に置き荷物があると答えた人は333人中244人。その半数以上が押し入れ1つ分以上の荷物があり、母親の6割が邪魔と感じているが、約3割は子供に言い出せないという結果だった。言えない理由の多くは、「子供の家が狭くてかわいそうだから」だという。
「終活という言葉も定着し、動けるうちに荷物を片付けようと思う親は多いもの。また、実家が一戸建ての場合、老朽化していることも少なくありません。親の生前整理を後押しするためにも、自分の荷物の片付けから始めることが大切です」(米田さん・以下同)
ただ、実家に置きっ放しの荷物には、思い出深い品が多く、捨てにくい…。
「一気に全部を片付ける必要はありません。親御さんも片付けてほしい半面、すべてがなくなったら寂しいものです。帰省時などに1日2~3時間ずつ、じっくりと片付けを進めてみましょう」
そこで記者も帰省し、実家の荷物を確認してみると、勉強机まわりや二段ベッドは物置と化す一方で、押し入れの中では懐かしのお宝とゴミが混然一体の状態になっていた!
「どこから手をつけたらいいのかわかりませ~ん(泣)」と、米田さんに泣きつくと、「荷物は大切な思い出。一つひとつと向き合いながら、帰省するごとに今回は洋服、次は本などと決めて進めるのもいいですよ」と、教えてくれた。
そこで、記者の実家の部屋を具体例として、実践的な片付け術を紹介しよう。
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