スポーツ

26年ぶり箱根駅伝出場の筑波大 奇跡起こした監督のメソッド

筑波大学を26年ぶりの箱根駅伝出場に導いた弘山勉監督

 第96回東京箱根間往復大学駅伝競走、通称「箱根駅伝」(2020年1月2、3日)まで残すところあと9日。今年は唯一、国立大学が出場を決めている。10月26日に開催された予選会において6位に入った筑波大学(茨城県つくば市)だ。1994年以来、26年ぶりに本大会に返り咲いた。

 そもそも筑波大は、 第1回箱根駅伝で優勝した東京高等師範学校の流れをくむ超伝統校。また、NHK大河ドラマ『いだてん』の主人公、金栗四三の母校でもある。つまり、第1回大会からちょうど100年の節目となる大会で、初代のチャンピオンが帰ってくるのだ。

 筑波大は箱根の常連校で61回の出場を誇っていたが、国立大のため、私立大に比べると、駅伝強豪校から選手を思うように集められない現実があった。大学からの強化予算もゼロのため、70回大会を最後に、本大会出場は果たされていなかった。それが──予選会にて、6位というまさかの好成績。

◆筑波大出身の元選手が監督就任、クラウドファンディングで資金調達

 今回の奇跡のウラ側には、たくさんのドラマがつまっていた。箇条書きにするとこうなる。

・合宿費などにあてる強化資金を、クラウドファンディングで集める
・予選会3か月前にチームが新体制に! 主将、副主将が一新の驚き 
・9月には、金栗四三の故郷・熊本県玉名で合宿、四三の墓前で“復活”を誓う

 ・・・・・ 中でも人間ドラマを演出したのが、2015年から監督を務める弘山 勉(ひろやま・つとむ)さんだ。  12月11日の会見では、「選手たちの達成感はハンパではない。充実した気持ちを持ち続けられれば、いいパフォーマンスを発揮できる」と自信をうかがわせるコメントをしてくれた。目標は、シード権獲得の10位以内だ。

 監督自身が筑波大学のOBで、2年生の時は花の2区を走り、4年生の時は主将としてチームを牽引。4年間、連続出場した。資生堂入社後は指導者不在の中、独自に科学的トレーニングを学び、別府大分毎日マラソンや福岡国際マラソンで結果を出した“理系の選手”。現在は筑波の監督を務めながら、パートナーの晴美さん(弘山さんが育成しアトランタ、シドニー、アテネのオリンピック三大会や世界陸上に出場)とともに、一般ランナーにも指導をおこなっている。

箱根駅伝出場に沸く筑波大学はシード権獲得を目指す

関連キーワード

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン