「きんは100才、ぎんも100才」というフレーズで“お茶の間のアイドル”となった100才の双子「きんさん、ぎんさん」がテレビに登場したのは、およそ30年前のこと。その当時は、きんさんとぎんさんのように100才まで生きることは日本人の憧れだった。
しかし昨今、めざましい医療の発展によって、「百寿者」「センテナリアン」と呼ばれる100才以上の長寿者が急速に増えている。総務省の住民基本台帳によると、1963年は全国でたった153人だった百寿者が、1998年に1万人を超え、2019年には7万1278人と発表された。そのうち、6万2775人が女性だという。
当然、平均寿命も伸び、厚生労働省「平成30年簡易生命表」によると、男性は81.25才、女性は87.32才と男女とも80才を超えている。
日本のみならず、世界で課題となっているのは、高齢期を“健康的に”生きること。
医療の進歩において「長寿」の夢を着実にかなえた人類は、「若返り」という課題へ本格的に挑戦する時代に突入しており、世界の一部の研究者の間では、「老化は治せる」という考えが広まっている。
銀座ソラリアクリニック特別顧問で医学博士の古賀祥嗣さんはこう話す。
「“人生100年時代”で必然的に多くの人が長生きになってしまうこれからの時代、“老化に抗う”従来の『アンチエイジング』以上に、“老化を治療していく”『キュアエイジング』という発想が健康寿命を延ばす意味では絶対に必要でしょう」
英国のリンダ・グラットン教授は2007年に日本で生まれた子供の半数が107才まで生きると推測している。人類の最大の夢であり、“タブー”ともいわれる「若返り」は、どこまで現実に近づいているのだろうか。
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