2020年1月20日に発売となる、スズキの軽クロスオーバーSUVの新型「ハスラー」。一度は、旧型のやや丸みを帯びた形状のデザインでまとまりかけていたが、再度議論し直し、新型のようなスクエアでボクシーなフォルムに変更されたという。さて、このモデルチェンジが吉と出るか──。経済ジャーナリストの河野圭祐氏がレポートする。
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スズキの四輪デザイン部エクステリア課長の山本雄高氏は、近年人気のSUVトレンドについて、こんな見方をしている。
「いろいろ調査してみると、特に東京都内では本格的なSUV、それこそ真四角なかなり力強いSUVを、普通に使っていらっしゃる方がたくさんいる。実際には街乗りメインで使っていても、クルマの見た目は、岩山にでも登っていきそうなカテゴリーのSUVを使っておられるわけです。
そういう力強さが、実用的な側面だけでなく、ファッションテイストとしてもいまのSUVに求められているのかなと強く感じました。たとえば、旧型ハスラーはボンネットの前面は少し下がっていましたが、新型では逆に少し上げて、力強さを表現しています」
他社の普通車も含めたSUVは、曲線や曲面を多用して、流麗に仕立てたクルマが多い。だが、世界的に売れ筋車がSUVになっている昨今、従来の曲線美を感じるSUVは、消費者から少し飽きられてきているのかもしれない。
「といって、SUVのトレンドがボクシーデザインに移行していることはなく、いわば2極化しているのだと思います。
従来の乗用車をクロスオーバー化したモデルはたくさんありますが、かつてのようにそうしたモデル一辺倒ではなく、『ジムニー』(スズキの本格クロカン四駆)のように、ちょっとプリミティブな四角いデザインも評価される時代になりつつあるのかなと」(同前)