いよいよ今年最後のGI。気持ちよく年を越したいものである。競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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27日14時現在の1番人気は1・7倍でコントレイル、2番人気はワーケア、以下ヴェルトライゼンデ、オーソリティと2戦2勝馬が人気上位。人気やオッズは馬券ファンの最大公約数。最も頼りになる予想ファクターかもしれない。
2017年にGⅠに昇格したホープフルSは、1991年に始まったラジオたんぱ杯3歳(当時)Sの流れという位置づけ(それ以前はラジオたんぱ3歳牝馬S。06年以降はラジオNIKKEI杯)。一昔前は、関東にはなじみのない強い馬が暮れの阪神競馬場の小頭数レースで強さを見せるというイメージだった。
とにかく堅い。1番人気は〈8 9 5 6〉、2番人気が〈10 7 6 5〉で、1、2番人気のワンツーが9回あり、ともに連対を外したのは3回だけ。28回すべてで必ずどちらかは複勝圏内に入っている。
これが3番人気になると1勝2着4回、4番人気こそ5勝2着2回だが、5番人気では1勝2着2回。8番人気以下の勝利も9番人気以下の連対もなく、3着に二桁人気馬が飛びこんできたのも1回しかない。
馬連3桁(1000円未満)が10回で、万馬券はわずかに2回。ワイドでも7割以上が3桁、三連複万馬券は3回だけで、三連単で10万円を超えたのも1回しかない。データはあくまで過去のものではあるが、この時期の2歳戦は玉石混交、穴狙いは得策ではない。
人気は2戦とも楽勝、前走では東京1800mレコードを1秒以上縮めたコントレイル。単勝オッズも最終的に2倍を切りそうで、ここをあっさり勝つようなら間違いなくクラシックの主役だ。
このレースはデビュー前の評判通りに、新馬戦、さらに特別戦や重賞で強い勝ち方をしてきた馬が人気の中心になり、過去15頭が1倍台の圧倒的支持を得ている。しかし結果は〈5 6 2 2〉。1着になった5頭のうち4頭はクラシックも制したが、ここで圧倒的人気になりながら負けた10頭は勝てていない。つまり、このレースがクラシックへの試金石になっていたのだ。
前述のように2番人気馬は、勝率では1番人気を上回り、連対率は1番人気と同じ。この時点で2番手と見られていたのは、キャリアが浅かったり、デビュー前の評判がそれほどでもなかったりということなのだろう。1番人気馬に派手さや知名度ではかなわなかったが、実戦での後先は互角。タヤスツヨシ、アグネスタキオン、ロジユニヴァースといったクラシック馬も2番人気だったが、ここを乗り越えることで主役の座に躍り出た。