中国ではアフリカ豚コレラ感染のまん延で、今年に入って飼育数の3分の1に当たる2億頭を超える豚が処分されるなど、食卓に欠かせない豚肉の価格が急騰しているが、これにいま、中国マフィアが目を付けているという。アフリカ豚コレラに感染した豚を安く買い取って、他の省に運び、健全な豚の肉と偽って、高く売りつけたりして荒稼ぎしているというのだ。
中国国営新華社通信によると、中国の南西部、雲南省の警察当局は中国マフィアグループが他の省に移動させようとしたアフリカ豚コレラの感染豚1万頭以上を押収したという。
中国政府の通達により、感染豚は殺処分しなければならないが、同省の警察関係者は同省では一つのマフィアグループが1日に4000頭もの感染豚を他の省に運んで、1頭当たり1000元(約1万6000円)もの利益を上げているとみているという。
すでに、中国では感染豚が急増しており、豚肉の値段は1キロ当たり値段は従来の20元(約320円)からいまでは53.3元(約853円)と3倍近く跳ね上がっている。
マフィアグループは、これに目を付けて、感染、未感染に関わらず、豚舎から豚を盗み出して、他の地方に移動してから売り飛ばして荒稼ぎしているというのだ。
彼らの手口は巧妙で、感染豚の死骸を豚舎の近くに放置して、飼育者に対して「お宅の豚もアフリカ豚コレラにかかっているに違いない。政府の通達で、もう、売れないだろうけれども、われわれが買い取ってもいいよ」などと声をかけて、安値で引き取るという。