初詣の祈願は「無病息災」「健康長寿」などが定番だが、日本の各地には「身体の悩み」をピンポイントで助けてくれる神々がいる。新しい1年の始まり、健康不安を抱える人は、それぞれの専門医ならぬ“専門神”を訪ねてみてはいかがか。ここでは東日本の「健康長寿の神さま」を祀る神社を紹介しよう。
◆医薬の祖が祀られる「目の神」/川越八幡宮(埼玉)
老眼に白内障、緑内障など年を重ねると増える「目」の不調。江戸の城下町として栄えた埼玉県の川越八幡宮には目にご利益がある神が鎮座する。目を象った境内のオブジェが目印だ。
「1030年創建の歴史ある神社ですが、目の神様をお祀りしたのは2011年からです。樹皮を煎じて目薬として使用すると眼病に効果があるとされた『メグスリノキ』が境内にあったことから、眼病平癒の神様として知られる大国主命と少彦名命を祀り目の神様としました」(榊原祥光・禰宜)
大国主命と少彦名命は薬を広めた神様とされ、「医薬の祖」とも言われる。この「目の神様」を何度か参拝した70代女性は、「最近、加齢黄斑変性症にかかってしまい、治すのが難しいと聞いて神様にお願いに来ました」と語る。
禰宜の榊原氏によると、白内障や緑内障などの手術前に訪れる40代以上の参拝者が多いという。令和2年元旦から1月31日まで、通常非公開の本殿扉を開けての新春特別祈祷が行なわれる。