もともと洋画好きだったのが、師匠の故・立川談志さんや、兄弟弟子でもある高田文夫氏の影響で『男はつらいよ』シリーズを見始めたという落語家の立川志らく。それをきっかけにすっかり寅さんにハマり、今では寅さんのことを聞けば何でも答えられると言われるほどの“寅さん博士”に。志らくがシリーズに出演した歴代のマドンナのなかでナンバーワンだと言うのが、第32作『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(1983年、監督/山田洋次)のマドンナ・寺の娘である朋子役の竹下景子だ。その魅力は何なのか、志らくが語った。志らくは最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』にも出演している。
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私にとってもう一人の師匠である高田文夫先生の勧めで、40歳を過ぎてから「男はつらいよ」をきちんと見始めたらハマり、「寅さん博士」を自称するほど詳しくなりました。落語に通じる笑いと人情があり、渥美清という役者が素晴らしかったんです。ですから、自分が今度の第50作に出演し、渥美清と一緒のスクリーンに映っているなんて、抑えられないくらいの喜びですよ。
歴代のマドンナには魅力的な方がたくさんいます。浅丘ルリ子が演じたリリー(旅回りの歌手、第11作、第15作に出演)は、ある意味別格。寅さんとは極の同じ磁石のような関係で、近づきすぎると弾き合ってしまう。
最も綺麗で妖艶だったのが、第22作『噂の寅次郎』の大原麗子。男ならイチコロにされてしまう台詞があります。
でもNo.1は第32作『口笛を吹く寅次郎』の竹下景子。「お嫁さんにしたい女優No.1」と言われていた頃で、竹下景子演じる住職の娘・朋子が、寅さんの話を聞いてコロコロ笑う姿が実に可愛らしく、奥ゆかしさもある。他の女優さんではあの味はなかなか出せません。