2020年に行われる令和初の箱根駅伝は、前回王者・東海大を中心とした「5強」の優勝争いが展開されそうだ。
大本命の東海大の強みは、なんといっても分厚い選手層。現在の4年生は全国高校駅伝「花の1区」の上位陣がこぞって入学した“黄金世代”だが、11月の全日本大学駅伝では、その主軸である主将の館澤亨次(4年)、關颯人(4年)、鬼塚翔太(4年)らを欠いた状態で勝ち切った。
2019年12月10日に発表された選手登録では3年連続で山下り6区を任されてきた中島怜利(4年)と關が故障で外れたが、登録16人のうちハーフマラソン自己ベストで1時間3分を切る選手が8人とスピード走者が揃っている(青学大で1時間3分切りは2人、東洋大では1人)。スポーツライターの酒井政人氏が解説する。
「選手層の厚さは、復路で効いてきます。過去2回1区を走った鬼塚や全日本でアンカーだった名取燎太(3年)の序盤起用で往路を上位でまとめれば、復路は前回7区2位の阪口竜平(4年)らの力で勝負に出られる。阪口は今季、日本選手権の3000m障害で優勝するなど今後、五輪での活躍も期待される選手です」
王座奪還を狙うのは前回2位の青学大。前回の箱根の主力10人のうち5人が卒業したチームの中で、復活のカギを握るのは吉田圭太(3年)だ。昨季は箱根9区など3大駅伝すべてで区間賞を獲得。今季も全日本7区で2位と好走している。