中国の浙江省杭州市の杭州国際空港で12月8日、滑走路に向かっていた海南航空の杭州発海南省三亜行きの旅客機が突然停止し、再び出発ロビーのゲートに戻るという奇怪な動きをした。
乗客も騒ぎ出す中、機長が「ただいま、お客様から『親戚が亡くなったとの連絡が入ったので飛行機を降りたい』との申し出があり、ゲートに戻ります」とのアナウンスがあった。これに対して、一部乗客から「飛行機は定刻に出発すべきだ。他の乗客の迷惑も考えるべき」などの批判が出ていたことが明らかになった。
インターネット上では、「親戚が亡くなったのは悲しいことで、同情すべきだが、いったん乗った飛行機の出発時間を遅らせるのは非常識」という声のほか、「親戚が亡くなった乗客の心情を考えると、機長の判断は正しい。やむをえない行動だ」など賛否両論の意見が出ている。
地元メディアによると、親戚が亡くなったことで、旅客機を降りたいと申し出た乗客は老齢の夫婦で、携帯電話で連絡を受けて、近くの客室乗務員に事情を説明。「葬式に出たいので、飛行機を下ろしてほしい」と懇願したという。
すでに、旅客機は出発ロビーのゲートを離れ、滑走路に向かって移動していたが、客室乗務員は直ちに機長に報告。機長は老夫婦の要請を受けて、出発ロビーのゲートに戻ることを決めたという。
機長は乗客向けのアナウンスで「人間の死というのは極めて尊厳なものであると考えています。当機はいったん出発ロビーに戻り、この方たちを降ろしてから、再び出発態勢に入ります。ご了承願いたい」などと述べた。
結局、旅客機は50分間遅れて離陸したという。