7つの幸福が授かるとされる七福神めぐり。流行したのは江戸時代からと伝えられる。「浅草名所七福神」が9社寺あるのは、「九は数の極み」で縁起のいい意味を持つことに由来。全行程は約7キロ。徒歩で4時間程度のコースだが、1日かけて各社寺や周辺の名跡を見て歩くのも楽しい。順番はなく、どの社寺から始めてもよい。基本的に七福神めぐりは松の内にするものとされるが、浅草名所七福神は通年、授与品や御朱印の受付をしている。数日にわけてもよく、自分のペースで巡拝しよう。
●浅草寺(せんそうじ):シヴァ神に由来し、食物と財福をもたらす大黒天
・東京都台東区浅草2-3-1
1400年近い歴史を誇る東京都内最古の寺。推古天皇36(628)年に示現した聖観世音菩薩が本尊。江戸時代より信仰と文化の中心地として栄え、庶民に親しまれてきた。浅草名所七福神の大黒天が祀られているのは、本堂(観音堂)の北西に建つ影向堂(ようごうどう)。浅草寺の朱印所でもある影向堂で聖観世音菩薩、大黒天の御朱印を受けることができる。
●浅草神社(あさくさじんじゃ):日本古来の漁業の神で商売繁盛を司る恵比須
・東京都台東区浅草2-3-1
創建は平安末期から鎌倉初期以降と推察され、浅草寺の創建に関わった3人を御祭神として祀る。「三社さま」の名でも親しまれている。江戸3大祭の一つに数えられ、東京の初夏を代表する風物詩でもある「三社祭」でも有名。第3代将軍・徳川家光公が慶安2(1649)年に建立寄進した社殿は、国の重要文化財に指定されている。恵比須神が祀られている。
●待乳山聖天(まつちやましょうでん):財宝を招き、勇気と決断を与えてくれる毘沙門天
・東京都台東区浅草7-4-1
十一面観世音菩薩が姿を変えて降臨したとされる大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)が本尊。境内各所に印されている巾着と大根は御利益を表わしている(巾着は商売繁盛、大根は無病息災・夫婦和合・子孫繁栄)。毘沙門天が祀られている。