日が暮れた皇居前広場、「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で奉祝曲を歌う直前。舞台袖で相葉雅紀(37才)の肩を櫻井翔(37才)が「バシン」と叩く。気合が入った相葉は「よし!」とステージへと向かった。別の日には、活動休止を発表した記者会見後のシーン。5人は乗り込んだエレベーターで「おつかれした!」と代わる代わる握手を交わした──。
年末年始を紅白歌合戦や年越しコンサートなど、息つく間もなく駆け抜けた嵐が2019年12月31日にインターネット動画配信サービス・Netflixで公開した映像には、それまで5人が決して見せてこなかった心の奥底と、赤裸々な姿が刻まれていた。
「『5人、最後のドキュメンタリー』と予告された番組の初回とあってかなり緊張してその時を待っていました。いざ見てみるときれいごとではない5人の本心、爆弾発言が衝撃的で…22分があっという間でした」(20代の嵐ファン)
嵐はこのドキュメンタリー番組を今年の年末まで全20話以上にわたって配信する予定だ。
「ドキュメンタリーの制作と公開は、活動休止を決めた時に決定したそうです。その目的は、ファンを不安にさせないためだと聞きました。いかにして嵐は活動休止を選択したのか。その日まで、どんな気持ちで進むのか、誤解されることなく、直接、自分たちの考えを届けたいという思いが根底にあったようです」(芸能関係者)
「二十年」と題された第1話は、冒頭で紹介したような密着映像のほか、一人ひとりのインタビューが小刻みに入れ替わる構成になっていた。そこで5人の口から語られるものは、初めてのものばかりだった。
活動休止について大野智(39才)は、「会見では3年前からと言ってるけど、十何年前からだから。これは載せられるかは知らないけど」と吐露すると、松本潤(36才)は「ちょっと過激かもしれないけど、おれは本当に愛するものを自分の手で殺そうとしてるんですよ」と打ち明けた。30代の嵐ファンはこう語る。
「愛する嵐の活動休止を“殺す”と表現したことには驚きました。松本くんが、どれだけ嵐に捧げてきたのかもわかったし、活動休止をしたくないのではないかという気持ちを感じました」
◆「すべてをさらけだす」
相葉が「4人でやるのは絶対に嫌だって」と語り合った日々を振り返り、櫻井が活動休止の話し合いの場で、期間をいつまでにするのか、または解散かなど、いくつかのパターンをホワイトボードに書き出そうとした瞬間に「手が震えて書けなくなっちゃって」と生々しく思い出すシーンもあった。
意見の“食い違い”も包み隠さず明かされた。二宮和也(36才)が「もう一度この人生をやりたいですか?というと、ぼくはやりたくないと思っている」と、嵐としてやりきったことを明かす一方で、櫻井は「35過ぎた大人がそれぞれだから。話し合ったところでそれぞれにそれぞれの結論がある」と語る。