かつて、ここまで陽の目を見ない賞金女王がいただろうか──。2019年シーズンの女子ゴルフで賞金女王を獲得した鈴木愛(25)だが、オフの話題は全英オープン制覇で一躍スターとなった賞金ランク2位の渋野日向子(21)に一極集中した。
「立て続けにバラエティ番組に出演し、ノーベル賞の吉野彰氏、プロボクサー・井上尚弥らとともに大晦日の紅白歌合戦のゲスト審査員にも選ばれた。年内はスケジュールがびっしりとなり、練習再開は年明けにずれ込んだ。一方の鈴木のメディア出演はほとんどない」(ツアー関係者)
12月18日に行なわれた日本女子プロゴルフ協会の年間表彰式では、賞金女王として鈴木が壇上にあがったが、一方の渋野はMVP(メルセデスベンツ最優秀選手賞)として表彰された。
「MVPは年間を通じた総合的な活躍度を評価するランキング。2012年に始まった制度で、成績と試合出場に応じて得られるポイントによって決まります。
渋野の活躍もあり、改めて『賞金女王』と『MVP』のどちらに価値があるのか、関係者の間で話題になった。海外ではポイント制のランキングに重きを置く流れがある一方、日本は賞金ランキングを重視してきた。渋野の全英制覇の影響もあって来季からは海外メジャーの成績がポイントに加算されるようになり、MVPの価値が高まる方向になるだろう。女子ゴルフ界の議論が、渋野を中心に回っている印象です」(担当記者)
鈴木がやや気の毒になるほどの渋野フィーバーだ。