長野県上田市のレストラン『ヴァイスホルン』は、丸子中央病院の最上階にある。フレンチのシェフが作るランチが好評で、病気がなくても立ち寄る人で連日にぎわっている。病院専属シェフの山田康司氏は、東京大学を中退し、『クイーン・アリス』の石鍋裕氏のもとで一から修業した異色の経歴の持ち主だ。
山田シェフは「食材の味を引き出すような料理を作ることが自分の使命」と語り、おいしく健康的な料理の数々を地元のスーパーマーケットとの共同企画「いきいきレシピ」として一般にも提供し、多くの人々に支持され、「健康寿命をのばそう!アワード<生活習慣病予防分野>」で、「厚生労働大臣賞 団体部門 優秀賞」を受賞した。
その集大成ともいうべき本が、山田さんの著書『日本一おいしい病院レストランの 野菜たっぷり 長生きレシピ』だ。発売からわずか1か月半で重版が決定し話題を呼んでいる。
同書を開いてみると、塩分やカロリーの表示があるわけではない。身近な食材で、毎日の食卓に彩りを添える写真が並び、食べてみたい!作ってみたい!という衝動にかられる。
「今の日本だからこそ作ることができる家庭料理をここに集めました。この本は減塩のための本でも低カロリーメニューの本でもありません。食材の味を活かしてバランスよくおいしく食べるための本です。しかしながら、それでこそ減塩につながり、食における健康を具体化するものだと思います」と、山田シェフ。
そこで、フライパン1つでできる手軽さだが、一度試すとリピート間違いなしの2品を同書から紹介しよう。