東京五輪の女子卓球シングルス代表2枠のうち「最後の1枠」を巡る争いは、デッドヒートの末に世界ランク10位の石川佳純(26)が同11位の平野美宇(19)を退け、3大会連続となる五輪行きの切符を確実にした(世界ランクは2019年12月時点、以下同)。
ただ、石川の置かれた状況は4年前のリオ五輪とは大きく違う。
「前回はニッポンのエースとして大会に臨んだが、今回は早々にシングルス代表の座を確定した世界ランク4位の伊藤美誠(19)がいる。女子卓球界を引っ張ってきた石川ですが、伊藤や平野ら“黄金世代”が力を伸ばし、世代交代の波のなかで五輪イヤーを迎えました」(スポーツ紙デスク)
注目されるのが、団体戦に出場する「代表3枠目」である。1月6日に発表される最後の1人が誰になるかで、「“東京五輪のエース”がはっきりする」(担当記者)というのだ。
卓球の団体戦は、3人の選手で第1試合のダブルス、第2~第5試合のシングルスを戦う。一般的に、第2試合に登場してシングルス2試合を戦う選手がエース格で、2番手、3番手の選手はダブルスとシングルスに1試合ずつ出場する。
「リオの時は石川、伊藤、福原愛(31)のチームで、石川がシングルス2試合を戦うエースでした。
今回、3人目が順当に平野なら、エースのポジションは伊藤で、ダブルスは石川と平野ということ。右利き同士の伊藤・平野ペアにするより、左利きの石川と右利きの平野で組むほうがいい。ただ、もし3人目が左利きの早田ひな(19)の場合、ダブルス重視で伊藤・早田ペアという戦略だろう。この2人は2019年の世界選手権ダブルスで準優勝している。黄金世代ペアで第1試合を確実に取りに行く作戦です」(同前)