「親も含め、周囲がそういう指導をしてくれたのはとてもありがたかったですね。今の自分の目標は、オリンピックのマラソンで結果を出すことです。『山の神』を超えるインパクトを残したいという気持ちが今の原動力になっています」
4年連続で出場し、選手として大活躍した後は母校の監督や解説者として、箱根駅伝とかかわり続ける早稲田大の渡辺康幸(住友電工陸上競技部監督、46才)はこう語る。
「僕にとって箱根駅伝は『人生のすべて』です。すべてを捧げて、実績を残すこともできて…今も携わることができて幸せです。箱根に対しては強い思い入れがあり、感謝の気持ちも大きいので、毎年なんらかの恩返しをしたいと思っています」
4年間の大学生活を「走ること」に懸ける青年たち。そのひたむきな姿は、見る者の心を震わせる。2021年の第97回大会に向けた戦いは、もう始まっている──。
(文中、敬称略)
※女性セブン2020年1月16・23日号