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伝説的ランナーが振り返る 「箱根駅伝」から学んだこと

伝説のランナーたちそれぞれが語る「箱根駅伝」(時事通信フォト)

 令和初の大会となった、第96回箱根駅伝は、青山学院大学の2年ぶり5回目の優勝で幕を閉じた。正月の恒例行事として日本中から注目を浴びている箱根駅伝だが、出場した選手たちは一体何を感じて、何を学んだのだろうか。かつて箱根駅伝で活躍した名選手たちに話を聞いた。

 2015年から2018年まで4度に渡って箱根駅伝に出場し、そのうち3度優勝を経験している青山学院大の選手だった田村和希(住友電工、24才)はこう話す。

「箱根駅伝はそもそもコンテンツとして素晴らしいから、みんなが注目する。そこで結果を出すことができて、顔と名前を覚えてもらったことが自分にとって大きかったです。社会人になった今も『知られている』という自覚が『しっかりやろう』というモチベーションにつながっています」

 箱根駅伝の選手に憧れている下の世代のためにも、田村は日々自らを律している。

 一方、3度出場している東海大学の村澤明伸(日清食品グループ、28才)は、「駅伝とはいえ、レースになるまでは個人種目なんです」と、クールに語る。東海大4年時にけがで戦列を離れ、チームも予選会で敗れて箱根出場を逃した。

 その年、同じチームで競い合った“戦友”の早川翼(トヨタ自動車、29才)が関東学連選抜の一員として箱根の2区を走った際、早川の希望で村澤は給水係を務めた。ボトルを受け取った早川がなかなか返そうとせず、2人は長く並走した。2人の友情を告げる場面として、語り草となっているシーンだ。

「『早川がなかなかボトルを返さないな』とは思いました(笑い)。競技者としては自分が出場して走っていないといけない場面ですが、一緒に頑張ってきた早川の手伝いができたことはうれしかった。箱根駅伝を走ったおかげで、卒業後も応援してくださるかたがいるのは本当にありがたいことです」(村澤)

 4年連続で出場した東海大学の佐藤悠基(日清食品グループ、33才)は「箱根は自分を成長させた大会」と振り返る。

「箱根で勝つことが大きなモチベーションとなり、仲間たちと切磋琢磨して自分を磨き続けられたことが大きな財産です。レベルの高い外国人選手にどう勝つかを考えて、トレーニングする習慣も身につきました」(佐藤)

 4年連続で出場し、5区で3度の区間賞を受賞した順天堂大学の今井正人(トヨタ自動車九州、35才)は、「元祖・山の神」と呼ばれても慢心せず、謙虚な姿勢を心がけているという。

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