振り返れば、2019年はまさに“ラグビーの年”だった。初のアジア開催となった日本でのワールドカップ(W杯)で日本代表が躍進。史上初めてベスト8に進出し、試合中継の視聴率は試合を追うごとにうなぎのぼり。多くの“にわかファン”を生み、大会閉幕後のパレードには5万人が集まった。その後もテレビで代表選手を目にしない日はないほど、フィーバーを巻き起こしている。
「今回のW杯で初めてラグビーをじっくり観た」という諸氏も多かったことだろう。そのおもしろさに目覚めて「もっと観たい」と思った人、ご期待いただきたい。
1月12日から国内最高峰リーグ「ジャパンラグビー トップリーグ2020」が開幕する。「ONE TEAM」でW杯を戦い抜いた日本代表選手たちが、今度は敵味方に分かれて激突するのだ。冬のスポーツであるラグビーは、実はこれからが本番である。
16チームが総当たりで雌雄を決するリーグ戦(全120試合)は、20都府県30会場を舞台に5月9日まで続く。入場料は前売り大人2000円から(小中高生は500円から)と、W杯と比べて格段にリーズナブルだ。
トップリーグを観戦するなら、まずは代表選手同士のぶつかり合いに注目するのがわかりやすい楽しみ方かもしれない。例えば、こんな顔合わせを見ることができる。
「笑わない男」稲垣啓太(PR=プロップ)とドレッドヘアの堀江翔太(HO=フッカー。いずれもパナソニック)が組むスクラムに、ホンダの具智元(PR)が相対する構図。W杯で世界を驚かせたメンバーによるスクラム対決は見ものだ。
あるいは、「泣きすぎる男」田中史朗(SH=スクラムハーフ)、司令塔・キッカーの田村優(SO=スタンドオフ)を擁するキヤノンと、田中と同じSHの流大、「Wフェラーリ」の一角・松島幸太郎(WTB=ウイング)が所属するサントリーの激突も見逃せない。