今やすっかり人気の職業となった「女子アナ」。中井美穂、久保純子、紺野あさ美、水卜麻美という、局もタイプも違う人気アナ4人に共通するキーワードが、女子アナの「タレント化」だ。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏は「その草分け的存在は1987年にフジテレビに入社した中井美穂さんだ」と指摘する。
「日本テレビの石川牧子アナに続くかたちで、TBSの吉川美代子アナらが活躍し、報道の現場に女子アナは欠かせない存在になりました。ですが、今のようにアイドル的な目立ち方をする女子アナはいなかった。そこに女性として初めて『プロ野球ニュース』のメインキャスターに起用された中井さんが現われた」(丸山氏、以下同)
中井の魅力は女子アナの知的なイメージをいい意味で壊す天真爛漫な明るさだった。
「不慣れな球場取材に一生懸命取り組む姿を見た周囲の記者たちが“支えてあげなきゃ”という思いからアドバイスをしたり、監督や選手がリップサービスをするようになって、次第に“中井にしかとれない”コメントが取れるようになった。ヤクルトの古田敦也選手との結婚式は視聴率26%を記録するなど、タレント以上の人気でしたね」
局が女子アナをタレントのように扱う潮流を決定的にしたのは、意外にもNHKだった。お堅いイメージの同局だが、1994年に入局した久保純子は違った。