ライフ

【著者に訊け】長嶋有氏 『俳句は入門できる』

長嶋有氏が『俳句は入門できる』を語る

【著者に訊け】長嶋有氏/『俳句は入門できる』/790円+税/朝日新書

 長嶋有は小説家である。と同時に俳人や漫画評論家や、一生活者でもあり、

「修行僧みたいに俳句だけ詠んで漂泊する俳人は現代では皆無に近いですし、大抵は他に職業や家庭があって、俳句以外の実人生も絶対にあるはずなんです。ところが俳句の世界には季語や切れ字について教えてくれる入門書はあっても、この『日常があって俳句がある』ということを臨場感をもって語った文章ってなかなかない。だから僕が普段どう俳句と接し、何に悩んでいるかとか、私事をただ語る余談の言葉にも結構意味があるんじゃないかなと思ったんです」

 と語る。

 それこそ『俳句は入門できる』ばかりか、〈他人とできる〉〈行使できる〉等々、五七五の制約より可能性に目を向ける本書は、俳句を取り巻く言葉や景色をより豊かにするために書かれた。

 現在テレビ番組「NHK俳句」で選者も務める長嶋氏が、2014年に俳句同人「傍点」を立ち上げ、SNSを有効活用してきたのも、現代に相応しい俳句シーンを模索するため。だが、〈この世に傍点をふるように〉と自ら命名した同会を彼は本書を機に去るという。遊び心や発見に事欠かなかった場を、一体なぜ?

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
麻布台ヒルズの個展には大勢の人が詰めかけている
世界的現代美術家・松山智一氏が問いかける“社会通念上の価値の正体” 『うまい棒 げんだいびじゅつ味』で表現したかったこと
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン