サッカー男子の東京五輪予選を兼ねたU-23(23歳以下)アジア選手権で1次リーグB組の日本はサウジアラビア、シリアに連敗し、グループステージ敗退が決まった。地上波ではテレビ朝日系列で中継され、解説は松木安太郎氏と中山雅史氏が務めた。松木安太郎研究家でライターの岡野誠氏が、1対2で敗れたシリア戦の試合展開の中で、松木氏の解説がどう変化していったかを読み解く(※時間表記はテレ朝の中継を基準にした)。
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初戦のサウジアラビア戦に敗退した日本にとって、2戦目のシリア戦は絶対に落とせななかった。そんな時、いつも以上にチームを鼓舞するのが松木安太郎氏である。
この試合、松木氏は「おい!おい!」「よしよし!」などいつも以上に同じ言葉を連続で繰り出した。いわゆる『同語反復』の回数が増えたのだ。その回数を検証してみよう。
序盤は『同語反復』も少なかった。前半2分、FW上田綺世(鹿島アントラーズ)が中盤でボールをキープした際に「強い、強い」と叫ぶ。4分、相手FWのバラカトが左サイドをドリブルで突破し、シュートを放った一連のシーンで「ここですよ、ここ!」(*注1)、「ボールへ! ボールへ!」と連呼。8分、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でシリアのPKと判定された直後、GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)に「とにかくこれは…もうね、取るしかないよ、取るしか!」(*注2)と鼓舞。8分50秒にPKで先制点を許すまでは、この4回だった。
【*注1:前半4分「ここですよ、ここ!」のように、間に助動詞(です)や終助詞(よ)が付く場合は『同語反復』を妨げる言葉ではないと判断する。前半36分「シュート打て、シュートね、シュート打てばね」は『シュートね、シュート』で連続2回と判定】
【*注2:前半8分「もうね、取るしかないよ、取るしか!」は2回目の『取るしか』の後に「ないよ」を省略していると考えられるので、『同語反復』と判断。前半41分「こぼれたところ!こぼれ…」、後半42分「1人いけ! 1人!」、後半46分「すぐいけ、すぐ」なども同じ。ただし、前半40分の「両手あげてね、いったほうがいいね。両手をね」は「いったほうがいいね」が間に挟んでいると考えられるため、カウントしない】