イングランド東部のノーフォーク州にある英王室の離宮「サンドリンガム・ハウス」は、王室メンバーがクリスマスに一堂に会する場所として知られている。1月13日、英国国王エリザベス女王(93才)は、ここに英王室主要メンバーの緊急招集をかけた。
集まったのは、長男チャールズ皇太子(71才・王位継承順位第1位)、その長男ウイリアム王子(37才・同2位)、そして引退騒動の渦中にある次男ヘンリー王子(35才・同6位)。もう1人の主役である妻のメーガン妃(38才)は「カナダに逃げ出して不在で、電話で参加した」(英メディア関係者)という。
緊迫した“王族サミット”が約2時間半も続いた後、女王はこう声明を発表した。
《家族も私も、できて間もない家族として新しい生活を築きたいというヘンリーとメーガンの願いを完全に支援しています》
英王室特有の言葉づかいの特徴は、“ストレートに表現せずオブラートに包む”。声明を額面通りに受け取ることは難しい。前出の英メディア関係者はこう読み解く。
「これまで必ず使っていた敬称『サセックス公爵夫妻』ではなく、『ヘンリーとメーガン』と呼んだことが示唆的です。今後、その立場を剥奪するのではないでしょうか。英王室として経済的援助を続けるかどうかも明言していません。体のいい“王室追放”になる可能性は充分あります」
女王は声明をこう締めくくって、混乱がまだ続くことを示した。
《まだ協議すべき複雑な問題はありますし、なすべき務めもありますが、近日中に最終的な決断を下すように指示しました》
事の発端は、1月8日、ヘンリー王子とメーガン妃がインスタグラムで、「王族引退」を表明したことだった。
《ロイヤルファミリーのシニアメンバーとしての地位から退き、経済的に自立する》
この突然の宣言は、英国はもちろん世界中で衝撃を持って受け止められた。引退宣言は英王室史上初のことで、前代未聞だ。
当初、英国民の間では、好意的に受け止める声もあった。ふたりが特権階級を捨て、一民間人となる自由を選び取ったというイメージがあったからだ。しかし、詳細が明らかになるにつれ、称賛の声は批判へと変わっていった。
その要因の1つが「経済的な自立」が指し示す意味だ。