芸能

NHK大河『麒麟がくる』 今回は期待できそうと感じる5つの理由

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』公式サイトより

 前作が史上最低視聴率を更新、今作は出演者のスキャンダルで放送開始が遅れ、NHK大河ドラマをめぐる環境は良好とは言い難い。しかし、ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏は、期待をしているという。

 * * *
 沢尻エリカさんの薬物事件による降板騒動で、ドラマの撮り直し費用は10億円に達するという報道も。皮肉なことに、スキャンダルで一気に注目が集まったNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』。いよいよ19日日曜日にスタートです。通常より二週間程開始が遅れたその間、NHKは明智光秀や歴史背景の解説、過去の大河ドラマの振り返り特番などを放送し、大河ドラマへの興味をかきたてようと必死。さて、雨降って地固まる結果となるのかどうか、見物です。

 スキャンダルゆえの話題を超えて、今回の大河ドラマが期待できそうと感じる理由を5つ挙げてみたいと思います。

【1】長谷川博己の顔つき

 主人公・明智光秀を演じるのは、長谷川博己。二枚目とかイケメンといった表層的な評価ではなく、一瞬見ただけで「明智光秀」という人物のイメージをかきたてる。そんなテンション、迫力を感じる。キリっとひきしまった横顔、緊張感と透明感。架空の吉祥動物「麒麟」という言葉に響き合うような、神秘性とロマン、そして愛らしさも。そう、長谷川さんの特徴とは、内に秘めた強靱さと共に、しなやかさや柔らかさ、フェミニンな要素を持つこと。それによって新たな戦国武将像を打ち立ててくれるのではないか、と期待大です。

 もう一人、横顔から無言の力を感じる人物がいます。それが、美濃の斎藤道三を演じる本木雅弘。不敵でアクが強そうで、一筋縄ではいかない不気味漂う風貌。油の行商人から戦国武将へと一気に駆け上がった道三は、「マムシ」と呼ばれ恐れられた人物です。そんな道三を本木さんがどう演じるか。柄と柄を合わせた派手な羽織を纏い、緊張感の漲るその姿からはさまざまな想像が膨らみます。

【2】麒麟の謎解きをする「駒」という存在

「歴史とは勝者が作るものであり、名も無き者や敗者の記録は残らない」という歴史観を前提に、それを覆そうという意欲が今回の大河ドラマには流れていそう。体現するのが、記録にはない駒(門脇麦)というオリジナルの登場人物です。駒は明智が京で出会う戦災孤児の女性で、「麒麟」の謎を解く役目でもあるとか(ちなみに麒麟という霊獣は現れる所すべての人々を幸せにするという伝説がある)。

 戦国武将が主人公のドラマは、とかく権謀術数や戦場のかけひき、勝ち敗け、兵法や軍備の話が多くなりがち。しかし今回はそうした「太文字の歴史」からはこぼれ落ちた、でもたしかに存在していた市井の人間たちにスポットライトを当てよう、という意欲を感じます。それが駒という仕掛けから見えてきそう。普段は大河ドラマをあまり好まないという女性視聴者たちも、駒の視点から活き活きとした戦国の世が描かれたら、ドラマの人気が広がり盛り上がるかも。

関連記事

トピックス

6月3日に亡くなった長嶋茂雄さんとの写真を公開した大谷翔平(公式インスタグラムより)
《さようなら長嶋茂雄さん》大谷翔平から石原裕次郎まで、誰からも愛された“ミスター”の人生をスターたちとの交流で振り返る 
女性セブン
人気インフルエンサーがレイプドラッグの被害者に(Instagramより)
《海外の人気インフルエンサーが被害を告発》ワインに“デートレイプドラッグ”が混入…「何度も嘔吐し、意識を失った」「SIMカードが抜き取られていた」【オーストリア】
NEWSポストセブン
『激レアさんを連れてきた。』に出演するオードリー・若林正恭と弘中綾香アナウンサー
「絶対にネタ切れしない」「地上波に流せない人もいる」『激レアさんを連れてきた。』演出・舟橋政宏が明かす「番組を面白くする“唯一の心構え”」【連載・てれびのスキマ「テレビの冒険者たち」】
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
現場には規制線がはられ、物々しい雰囲気だった
《中野区・刃物切りつけ》「ウワーーーーー!!」「殺される、許して!」“ヒゲ面の上裸男”が女性に馬乗りで……近隣住民が目撃した“恐怖の一幕”
NEWSポストセブン
シンガポールの元人気俳優が性被害を与えたとして逮捕された(Instagram/画像はイメージです)
避妊具拒否、ビール持参で、体調不良の15歳少女を襲った…シンガポール元トップ俳優(35)に実刑判決、母親は「初めての相手は、本当に彼女を愛してくれる人であるべきだった」
NEWSポストセブン
「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ犯から殺人犯に》「生きてたら、こっちの主張もせんと」八田與一容疑者の祖父が明かしていた”事件当日の様子”「コロナ後遺症でうまく動けず…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「本人にとって大事な時期だから…」中居正広氏の実兄が明かした“愛する弟との現在のやりとり”《フジテレビ問題で反撃》
NEWSポストセブン
現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「兄として、あれが本当にあったことだとは思えない」中居正広氏の“捨て身の反撃”に実兄が抱く「想い」と、“雲隠れ状態”の中居氏を繋ぐ「家族の絆」
NEWSポストセブン