1月17日、小泉進次郎環境相と妻の滝川クリステルさん(フリーアナウンサー)の間に、第1子が誕生した。小泉大臣は仕事をセーブしながら育児休業を取得することを表明しているが、パフォーマンス批判も出ている。男性会社員の育休取得率がなかなか上がらない中で、小泉大臣は国民の代表としてどう育休の務めを果たすべきなのか──。働く主婦の調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長兼「ヒトラボ」編集長の川上敬太郎氏が助言する。
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小泉進次郎環境相が、3か月で計2週間程度の育児休業を取得すると発表した。しかし、賛否両論が巻き起こっているという。
小泉大臣も一人の人間であり、夫である。小泉“氏”という個人が、家庭の中で育休の必要性を感じて取得したいと考えることを周囲が批判するなど余計なお世話だ。小泉氏の家庭運営に対して責任が取れる立場にいるのは、小泉氏と妻の滝川クリステル氏のお二人以外にはいない。
しかし、小泉“大臣”の有休取得に対して賛否の声が上がるのは致し方ない気もする。国務大臣という要職にあることに加え、昨今の週刊誌報道などのマイナスイメージをカモフラージュするパフォーマンスのように見えてしまう面もあるからだ。
それでも、小泉大臣の育休取得を応援したいと思う。様々な声に惑わされることなく、大いに育児に取り組んでいただきたい。
そのうえで、危惧していることがある。
小泉大臣の育休取得への注目度が高いだけに、メッセージの伝わり方によってプラスにもマイナスにも働く可能性があることだ。もちろんプラスに働くのであれば何も言うことはない。ここでは、懸念されるマイナスに働いてしまうケースについて取り上げたい。
ポイントは大きく3つある。(1)育休する当事者としての手本を示すことができるか(2)育休が取りやすい組織環境を構築できるか(3)仕事で成果を出すことができるか──。
1つ目に挙げた「育休する当事者としての手本を示すことができるか」については、さらに三つのテーマに分けられる。一つは自身が主体として育児を行うこと。もう一つは、父として育児を楽しむこと。そして、妻のキャリアを尊重することだ。
育休とは、育児休暇だと誤解されることがある。実際には、休暇ではなく育児休業だ。稼ぐための仕事は行わないものの、何もせずに休むわけではない。“育児”という務めを果たすための休業だ。
子どもをお風呂に入れたりオムツを変えたりするのはもちろん、掃除、洗濯、炊事といった付随する家事も自らが主体となって取り組まなければ意味がない。小泉大臣の日々の育児風景がSNSなどでアップされれば、夫が育児の主体として取り組むことが自然な形で世間に浸透していく後押しになるのではないだろうか。