日産元会長のカルロス・ゴーン氏が日本を出国した12月29日から遡ること9日前の12月20日、本誌・週刊ポストはゴーン氏に対して直接、取材交渉を行なっていた。場所は同氏が保釈生活を送っていた東京都港区の住居である。
ゴーン氏はその際、裁判を戦ううえでの協力者となる日本人の存在を明かしていた。1月8日のレバノンでの会見でも名前を挙げたのが、会社法が専門の田中亘・東京大学社会科学研究所教授である。
田中氏は米ブルームバーグの取材に、〈(ゴーン氏の弁護人だった)弘中惇一郎弁護士らが12月11日に研究室を訪問した際、東京地検特捜部が(中略)ゴーン被告を起訴したことについて、「疑問を持っている」と伝えた〉という。
もう一人、理解者として名前を挙げていたのが、元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏だった。郷原氏は、ゴーン氏逮捕の直後から、今回の事件における検察の捜査を批判してきた。
郷原氏は本誌の取材に「ゴーン氏にインタビューして、その内容を含む著書を4月の公判までに出版する予定だった」と明かした。本が完成するまでは公にしない約束だったという。