全面抗争の渦中にある2つの組織とは対照的な道を歩んでいた最中の改称。フリーライターの鈴木智彦氏はヤクザ界における1つの時代の終わりを指摘する。
「これまで“山口組”というブランドがあればヤクザは食べていけると言われていた。しかし、暴対法や暴排条例により、組員は生存権すら脅かされているのが実情です。強大な組織力を持つ六代目と神戸とは違い、確固たる地盤を持たず、構成員も400人ほどの任侠山口組にとって特定抗争指定暴力団に指定されることは文字通り死活問題になりかねない。組織として残るため、誇りとしてきた“山口組”という看板を下ろしたのではないか」
新たな局面を迎えた分裂抗争はどこへ向かうのか。
※週刊ポスト2020年1月31日号