2003年から胃がん検診で胃カメラが選べるようになった新潟市では、内視鏡検査の胃がん発見率がバリウム検査の3倍になった。
現在は自治体が実施する胃がん検診でも、50歳以上なら胃カメラを選択できるようになりつつある。選択肢があるなら、胃カメラを選んだほうが良い。
男女全体で最も患者数が多い大腸がん。早期に発見すれば治癒可能で、ステージIの5年生存率は97.6%に達する。
それゆえに検診が重要となる。大腸がん検診で一般的なのは、便の表面を擦って採取した検体を医療機関に提出する便潜血検査(検便)だ。
「がんやポリープが原因で生じた出血の有無を調べる検査です。ただし出血がなかったり、少なかったりすると検知しにくく、大腸がんのうち1~3割を見逃してしまうとの調査報告があります」(上医師)
こうしたリスクを回避できるのが、肛門から挿入したカメラで腸内を直接観察する大腸内視鏡検査だ。
「便潜血検査に比べて体の負担は増しますが、検査の精度は上昇します。50歳以上になったら、一度は大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします」(上医師)
内視鏡検査でポリープが発見された場合、悪性化する前に切除すれば、大腸がんを未然に防げる。がんの早期発見にも予防にも役立つことが大きな魅力だ。
※週刊ポスト2020年1月31日号