芸能

イッセー尾形 奇妙奇天烈で曖昧模糊、負けず嫌いで人見知り

高田文夫とイッセー尾形の関係は?(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、日本の一人芝居の第一人者、イッセー尾形との四半世紀にも及ぶ新春コンサートとその魅力についてお送りする。

 * * *
 不思議な人である。奇妙奇天烈な男である。曖昧模糊とした俳優である。その癖、その役作りは職人芸を越えた宮大工のような神神しさである。役になりきる一歩手前は“イッセー尾形”。毎年「ラジオビバリー昼ズ」一発目の生放送の日に勝手に色んな楽器をスタジオに持ち込んでは自由に“新春コンサート”をやり、なにごとも無かったかのように帰って行く。こんな事がすでに25年も続いている。押し込み強盗ならぬ、押し込みコンサートである(意外にリスナーには変に喜ばれたりしているからシャクだ)。

 ここ数年は楽器の種類もなくなったのか、暮れに毎年、勝手に書いたぶ厚いラジオドラマの脚本が届く。フリートークをやったり歌の時間があったりするから、せいぜいラジオドラマに使える時間は20分だと言ってあるのに、読めば45分もあろうかという台本である。「馬の歩くパッカパカの効果音、お椀で」。などと書いてある。終戦直後のラジオか!? 三谷幸喜の『ラヂオの時間』か。

 今年は「古銭形(こぜにがた)平次捕物帖」みたいな時代劇で私が古銭形、女房役が松本明子、干支にちなんでネズミ小僧がイッセーだった。「私のネズミ小僧は良かったんだけど……高田さんがな……。」など私に対しては負けず嫌いなのだ。

 デビューからずっと演出家の森田雄三氏と二人三脚で“ひとり芝居”を極めてきたが、森田氏も亡くなり、今は他人とからまなければいけないと、様々なドラマ、映画に積極的に出演して相当いい味。行く現場、行く現場で初めて共演する人も多いので共演者達からもこの年齢になって珍しがられるとか。

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト