〈輝き続ける大人女子のミューズ〉──モデルの矢野未希子(33)が女性向けニュースサイト『モデルプレス』の「2020年ヒット予測」モデル部門に選出された際の講評コメントである。
16歳でモデルデビューした矢野は、これまで『non-no』や『ar』、『sweet』などの女性向けファッション誌に登場してきた。そんな彼女の長年のキャリアのなかで大きな転機となったのは、2016年に『Oggi』のカバーモデルに抜擢されたことだという。2019年4月に同誌を卒業したが、その際は、「甘めな洋服を着ることが多かった自分にとって、今までなかった引き出しを手に入れられた」と『Oggi』への感謝を述べていた。
さらに2020年1月号から『VERY』の新カバーガールに就任。“ママではないモデル”が同誌のカバーモデルに起用されるのは異例のことで、大きな話題になった。『VERY』の今尾朝子編集長は、「これからのVERYを考えた時に、クリーンで軽やかなイメージが強く、一方で人に愛される愛嬌を兼ね備えた矢野未希子さんと、ご一緒したいとオファーさせていただきました」と矢野を起用した理由についてコメントしている。
ある意味、矢野未希子というモデルは、アラサー世代になって輝きを増したと言えるだろう。いくつになっても若々しい雰囲気の女性が増えて、主に30代の女性を指す“大人女子”という言葉もすっかり定着した。自身も30代大人女子であるマーケティング会社勤務のAさんは、「童顔なのに色っぽい。深キョンといい、矢野さんといい、この系統の顔立ちは、同性としても『可愛い!』と思わされるものですよね」と分析する。
しかし、分別のついた大人女子たちが「可愛い!」だけで憧れるものだろうか? Aさんは、「同世代の女として、マーケッターとして、大人女子が理想としているのは、“安定した生活を送っている人”、そして、“内面も安定している人”だと思います」と続ける。
「要するに大人女子には、“イタくない人”がウケるんです。見た目もきれいで、しっかりキャリアも築いていて、プライベートも充実しているけど、程よく力が抜けて余裕がある。家庭も仕事も、さらに自分の時間も……って、冷静に考えてみると超人でしかないんですが、超人だからこそ理想なんですよね」(Aさん)