「結婚しない人生」を選ぶ人が増えている一方で、40代でも、50代でも、あるいは何度でも、結婚する人はする。彼らはなぜ結婚を選んだのか。また、年齢を重ねた上で、どのように結婚に辿りついたのか。誰もがするものでなくなったからこそ、「結婚」は、選ぶ人・選ばない人の価値観を浮き彫りにする。昨年、50歳で「令和婚」をはたした作家・島田佳奈さんの場合を聞いた。
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◆相手の人生に“痕跡”を残したい
──パートナーや事実婚を選ぶ人も増えるなか、島田さんは昨年、結婚されました。なぜ結婚という形を選んだのでしょうか?
結婚はもういいや、という時期もあったんです。私は24歳で最初の結婚をして、28歳で離婚しています。この時の離婚が大変だったので、懲りちゃったんですね。その後は付き合うだけでいいなと思って、たとえば36歳で出会った人とは、事実婚状態で7年半同棲していました。ただ事実婚だと、別れがあまりに簡単だったんですね。それで虚しくなってしまったんです。
同棲していた家から私が引っ越したら、それで終了。7年半も一緒にいたのに、彼の人生の中に、私はいなかったことになってしまうのか……と思うと切なくなって、次に会う人には私の痕跡を残したいと(笑)。そのためにも入籍しようと思ったんです。その時、43歳でした。
──そこから婚活を始めたわけですか?
その後、ちょっと紆余曲折ありまして……、一人になって婚活を始めたのは46歳の時です。私は職業柄、家に引きこもって仕事をしているし、年齢的にも新しい出会いは難しい。それに恋愛コラムを書いているので「婚活経験は成功しても失敗してもネタになる!」と思い、ネット婚活を始めました。
──昨年結婚されたご主人は、そのネット婚活で出会った方ですか?
はい。婚活をはじめてちょうど1年くらいで出会って、3回目のデートで告白してもらって、約3年付き合って結婚しました。3年かかったのは正直想定外でしたが、大人には、色々と事情があるものです。結婚の意思は確認していたので、納得の上で付き合って、昨年晴れて入籍しました。
──40代の女性は婚活で苦戦すると聞きますが、不安はありませんでしたか?
一般論ではそうかもしれませんが、婚活をはじめた46歳のとき、私は人生これからだとすごく明るい気持ちでした(笑)。婚活もすごく楽しかったです。ただ、ずっとやると疲れるだろうなとは思っていて、漠然と、1年くらいと区切りは考えていました。期限を決めるのは大事かもしれませんね。