労働組合の京都総評が昨年、こんな調査結果を発表した。「夫婦と子供2人の家族が京都市内で普通に暮らすためには、30代なら月48万6900円必要」──。賃金もなかなか上がらず、その一方で消費税は10%に増税するなど、家計を圧迫することばかりで、日増しに貧困化が浮き彫りになる日本社会。もはや、なんらかの副業を持たないことには、まともな生活もできなくなってきているのかもしれない。
◆「質問」して稼ぐ
物件撮影を“隙間ワーク”にしているというのはカメラマンの小嶋あきらさんだ。カメラマンとしての仕事をしつつ、空いた時間を見つけて、不動産会社のサイトに掲載するための物件の写真をスマホで撮影しているという。報酬は1物件にあたり写真40枚ほどで4000~6000円程度だ。
そんな小嶋さんはさらに意外な“隙間ワーク”もこなしている。「ヤフー知恵袋」のような質問掲示板に、質問を投稿して稼ぐというのだ。
「『Quora(クオーラ)』という比較的新しいサイトで、登録のためには審査がありますが、FacebookかGoogleのアカウントがあれば誰でも利用できます。ユーチューバーのようにアクセス数を稼ぐほど収入が上がり、私はこれまでに300本ほど投稿して、今は毎月数千円ほど振り込まれています。
アクセス数で稼ぐため、なかには、“炎上”しやすいひどい質問をしている人もいます。投稿するには実名を出さなければいけないので、リスクもあります」(小嶋さん)
約20万アクセスを稼いで、120万円の報酬が支払われた質問もあるという。