かつてTwitterは、明るく、ほのぼのとしたやりとりが多く見られる世界だった。フォロワー数日本一だったのはガチャピン(5歳・現在は更新終了)で、彼のチャレンジやときどきあらわれるムック(5歳)とのやりとりに癒やされる人が多かった。その失われた牧歌的な世界を彷彿とさせるプロレスラー・長州力(68歳)の革命的ツイッターの魅力について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。
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右と左が毎日ケンカをし、「売国奴!」「アベは独裁者!」などの怒声が飛び交うどーしようもないツイッター界。なんでもかんでもセクハラやら差別主義者認定をする特高警察の如き修羅の国である。
あまりにも殺伐とした雰囲気がすっかり定着したクソ空間の側面もあるが、久々の癒し系大物が登場した。元プロレスラー・長州力である。昨年12月25日に開始したが、記念すべき初ツイートは「いまどうしてる?」だ。ツイッターの書き込み画面に最初に出てくる「いまどうしてる?」をそのまま打ったのだろう。その後140文字の文字制限に対し「なんだ、長い文章は書けないのか?こいつは不便ですね!」と書くなど、その仕様を一切無視しようとしていたかのような“ストロングスタイル”を見せつける。
さらには「ところで源ちゃんいますか?」と書いたところ、親切な人が天龍源一郎のツイッターIDを教えてあげ、長州は「どうもありがとう!電話してみます!!」と返す。
この時点で多くの人が感じたのは「長州さん、ツイッターの使い方を根本的に間違えている……」というものだ。要するに、ツイッターに何かを書けば自分の知り合いが勝手に見つけてくれて、自分に連絡をしてくれると思っているのではなかろうか。ツイッターで相手にメッセージを送りたい場合は@tenryuproject(天龍のID)などとつけなくては届かない。天龍は誰かから「長州さんが天龍さんに連絡取りたがっていますよ」と教えられただろうから、その後2人は連絡を取れたと思う。電話番号だって知っているわけだし。だが、ツイッターでまさかの「交換手」を介したコミュニケーションを取るという斬新過ぎる“革命戦士”的ツイートをし続ける長州の人気は沸騰し、1月23日段階で約17万人のフォロワーを獲得した。