日韓関係が今日「最悪」とまで言われる状況になった直接的な契機は、2018年秋、いわゆる徴用工問題で韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じる判決を出したことだった。日韓関係を土台から揺るがすこの問題について、ケント・ギルバート氏が喝破する。
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徴用工の問題には、私がはっきり結論をつけておきたいと思います。徴用先で起きた出来事について、かつての朝鮮人徴用工とその家族が賠償請求を行なうべき相手は、韓国政府です。
彼らの人生に気の毒な面があったことは否定できませんが、怒りをぶつける先は、日本と国交を回復するかわり、個人が請求すべき分も一括して受け取って、それをちゃんと当事者に配分しなかった大韓民国政府そのものです。
日本が韓国側の要望に応じて「独立祝い金」の名目で提供した合計8億ドルの資金は当時の韓国国家予算の2年分だったといいます。その資金で韓国は、ダムや高速道路、地下鉄、製鉄所、各種工場など今日の発展の礎を築き、日本からは工業化の技術やノウハウも供与されました。
ポジティブに解釈すると、韓国人が日本から受け取るべきお金は、すべて経済の基盤整備のために使われ、韓国社会、韓国人に広く還元されました。ネガティブな想像をすれば、いくらかは権力者や財閥の懐に消えた分もあるのかもしれません。
しかしそれはすべて、韓国側の都合です。韓国政府が自国民に対して、これまで日韓基本条約と請求権協定によって、日韓が何を合意したのかを教えてこなかったからこそ、こうした事態を招いているのです。それにもかかわらず、「個人請求権は消滅していない」などと言い出し、新たな謝罪や損害賠償を国として容認するのは、ひどい責任転嫁です。