令和初の大相撲初場所は両横綱不在も平幕2人が“下克上”の優勝争いで盛り上げた。初優勝を飾った徳勝龍(33才)は幕尻からの快進撃、優勝インタビューでも笑いあり涙ありの切り返しで国技館を沸かせた。その徳勝龍と優勝争いをしたのが前頭四枚目の正代(28才)。“ネガティブ力士”と言われる彼が、意外な一面を見せた。
「正代は高校3年で国体優勝、東京農大2年時に学生横綱になった実力者。努力家で将来の横綱候補と期待される力士。一方でたびたび話題になるのはその性格です。2015年の新十両会見で記者から対戦したい力士を聞かれ“できれば誰ともやりたくない”と答え、横にいた時津風親方から“バカじゃないの、お前。何をするにもマイナス思考だな”と呆れられたエピソードは有名です(笑い)。
それが今場所では7連敗中の大関・貴景勝に勝った後の花道でガッツポーズにスキップしたり、“連勝を続けていきたい”とポジティブになりつつあるんです」(スポーツ紙記者)
惜しくも優勝を逃した翌日、ファンに囲まれる正代をキャッチ。平日でも多くの利用客であふれる羽田空港でサイン攻めにあっていた。居合わせた相撲ファンの男性が語る。
「地元の熊本に帰るところだったのか、荷物を手に後輩らしき方と2人で出発ロビーに現れたんです。大きな身体で着物に髷ですから遠くからでも目立っていて、すぐに気づいて“正代さん!”と声をかけると野太い声で“あーっす(ありがとうございます)”と言って、自ら手を差し出して握手してくれたんです」
正代がいると知るや周囲の人たちが駆け寄り、あっという間の人だかり。あまりの人の多さに驚きつつも手荷物を後輩に預けると、記念撮影や握手などひとりひとり丁寧に対応する。中にはサイン色紙とサインペンを持参している用意のいいファンも。
「実はその日、プロ野球の巨人の選手がキャンプインに向けて出発するので、熱心な巨人ファンが見送りに集まっていたんです。それで色紙を持っていた人が多かったようなんですけど、みんな正代のサインをもらってました(笑い)」(同前)