ネットや会員制のクラブなどを通じて男女が出会い、女性が食事やデートに付き合う対価として男性がお金を支払う「パパ活」。売春や援助交際といったネガティブなイメージもあり、事件に巻き込まれるケースも少なくない。危険と隣り合わせにもかかわらず、なぜ女性たちは、また“パパ”たちはパパ活をやめないのだろうか――。彼らの本音に迫った。
パパ活歴が4年になるという会社員の渡辺まり子さん(仮名・26才)は、1年ほど継続して会い続けている“パパ”が3人いる。「危険なこともあるとはわかっているけれど、1度やり始めたら止められない」と語る。
「彼らなしに私の生活は成り立たないんです。1人は、生活基盤を支えてくれている50代の男性。飲食店を経営している妻子持ちです。月に1回お会いして、ご飯を一緒に食べるだけの関係です。体の関係は一切なくて、たまに一緒に手をつないで歩くくらいです。彼は“自分が若い頃に苦労したから、女の子の生活を支えたい”という思いが強いみたいで、ブランド物を買ってくれるというより、家賃とか生活に必要な額を準備してくれています。経営者だから博識で話も面白いし、私の知らないこともたくさん教えてくれる。
この人たちは、私が新卒で入った会社があまりにも薄給だったためにダブルワークとして始めたガールズバーで出会ったお客さんです。彼らに加えてアプリで出会ったふたりのパパもいて、それぞれ体の関係ありで月に10万円ずつの“契約”を結んでいます。この2人はこれに加えて靴やバックなどもプレゼントしてくれるから、パパ活だけで月の収入は50万円を下回ることはないんです」
現在はパパ活ライフを謳歌するまり子さんだが、過去にはトラブルに巻き込まれたこともあるという。
「パパ活を始めたばかりの頃はよく失敗していました。その頃は“パパ活アプリ”と呼ばれる出会い系サイト経由でやりとりをしていたのですが、まともな人はほとんどいなかった。アプリは気軽に始められることが魅力ですが、裏を返せばどんな人でも登録できてしまう。
お会計をせずにお手洗いに行くフリをして帰られたり、こちらが気を遣って相手に合わせていることを理解せず、『お互い相性がよさそうだから、パパ活としてではない形で会いたい』と前提を覆すことを言い出したり、医者や弁護士だと偽っていた人もいました。そういった失敗を繰り返して、やっと見つけたのがいまの“パパ”です。とくにアプリ経由でパパを捕まえるまで、50人以上会ったと思います」