体験取材を得意とする女性セブンの名物アラ還ライター、“オバ記者“こと野原広子(62才)が、世間で話題になっているトピックに自由な意見をぶつける。今回のテーマは「マスクが消え、感染者が増え… 不安が煽られるのはイヤ!」。
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ほんとに東京からマスクが消えたのね。
2月2日の夜、ライブを見に行った六本木でマスクを買おうとドラッグストアに寄ったら、「品切れです」。数メートル先のコンビニでも、「売り切れですね」とあっさり。6軒目に訪ねた100均でようやく、「ごめんなさい。これしかないんです」と、足元の段ボール箱を指さされた。ガーゼ製で2枚350円だって。仕方ないからありがたく買ったわよ。
危機感をもった中国人が買いあさった結果?と思ったら、投機目当てで買い占めている人もいて値段が吊り上がっているんだそう。
命の値段と思えば高くないのかもしれないけど、値段だけの問題じゃない。ガーゼ製ならまだしも、物によってはかなり息苦しい。60過ぎた高齢者の私がこれで階段をのぼったら、ウイルスにやられる前に酸欠で、持病の心臓弁膜症を悪化させちゃう。
それにしてもここ数日の不気味さといったらない。毎朝、バイトに向かうべく、最寄り駅のJR秋葉原駅の構内に入ると、マスクで顔の半分が白い集団がワラワラと迫ってくる。その数が日に日に増えているんだもの。
邦人を帰国させるために新型コロナウイルスの発生源とされる中国・武漢市へ日本政府がチャーター便を派遣して以来、感染者の数が増えていく。
この感染症で死につながるのは「60才以上の高齢者、かつ糖尿病や高血圧、心臓疾患、慢性気管支炎などを有しているケース」って、それ私だよ。糖尿病と慢性気管支炎ではないけれど、あとはみんな当てはまる。
こんなニュースを耳にした後で満員電車に乗ってごらんなさいな。マスクは自分が風邪気味の時以外はつけないんだけど、私の横にピッタリくっついて並んで、つり革につかまっているオジサンが、マスクなしでくしゃみをすると、思わずニラみつけたり息を止めたり。逆に自分がオジサンと同じことをすると、人の視線が四方八方から突き刺さる、ような気がする。
聞けば、咳をしてウイルスの飛沫を飛ばし、他人に感染させないようにするのがマスクの最大の目的で、飛沫を飛ばしまくっている人からガードしきれるものではないんだってね。逆にマスクをする時に、ウイルスで汚染されている手で口や鼻を触って感染リスクが高くなることもあるんだとか。