ビジネス

今秋にカジノ狂騒曲収束か、安倍首相は本気で取り組まぬと見る

カジノに大きな期待が集まっているが…(イラスト/井川泰年)

 日本にカジノが本当にできるのか? 予定地となる地域では住民の反対運動も出ていて、2019年末からは収賄容疑も持ち上がった。日本のカジノ狂騒曲はどこへ向かうのか、経営コンサルタントの大前研一氏が解説する。

 * * *
 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる問題が紛糾している。

 昨年末に衆議院議員の秋元司容疑者が中国企業「500ドットコム」から賄賂を受け取った収賄容疑で逮捕され、野党はカジノ法(IR整備法)の廃止法案を今国会に提出。1月中に決定するはずだったIRの選定基準に関する基本方針は先送りされた。その一方で自治体は、東京都、横浜市、名古屋市、大阪府・市、和歌山県、長崎県がIR誘致合戦を展開し、常滑市、宮城県なども“参戦”を検討中。まさに“日本列島カジノ狂騒曲”の様相を呈している。

 カジノ法は、もともと2016年の安倍晋三首相とドナルド・トランプ大統領(正確には就任前だが)の“約束”で誕生した代物だ。1年半前にも指摘したように、日本進出を目論む「ラスベガス・サンズ」のシェルドン・アデルソン会長を有力支援者とするトランプ大統領は、安倍首相にカジノ法案を速やかに推進するよう要請。それを受けた安倍首相が法案成立に動き、そうして生まれた利権に政治家が群がっているのだ。

 安倍政権はIRを「成長戦略の目玉」と位置付け、観光振興・経済効果で地方創生につなげていくというが、そもそもカジノは、寂れた地方や忘れられた地域の“最後の振興策”だ。一時の賑わいが過ぎ去れば、再び忘れられてしまう運命にある。

関連記事

トピックス

春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン