健康診断や人間ドックで行なわれる検査は“適切なタイミング”で受けることで最大の効果を発揮する。それは「いつ」、そして「何年に1回」なのか──。
加齢とともに、脳梗塞や脳出血といった「脳卒中」が心配になってくる。脳の血管が動脈硬化起こすことでリスクが高まるが、それをチェックするのが頭部MRI/MRA検査だ。日本脳神経外科学会専門医で鶴巻温泉病院院長の鈴木龍太医師の話。
「MRIは脳の断面図を写す検査で、脳梗塞を起こしている血管の詰まりなどが、白い影となって映る。一方、MRAは脳の血管を立体的に映し出すので、くも膜下出血の原因になる未破裂動脈瘤なども発見できます」
東京国際クリニック院長の高橋通医師がすすめるのは、「50歳から」の受診だ。
「男性は55歳くらいからは動脈硬化に注意が必要になってくる。50代からは年に1回か、少なくとも2年に1回はMRIを受けたほうがいい」
心臓MRI検査は、心臓の血管の動脈硬化を早期発見し、心筋梗塞などの予防に有効とされる。
「MRIに被ばくリスクはないので、肥満や喫煙、高血圧などがあり動脈硬化のリスクが高い人は3~5年に1回程度がよいのではないでしょうか。
心筋梗塞の発症が多いのは60~70代。心臓MRIを受けて異常がなく、血圧をコントロールできていれば、80歳以降の再検査の必要性は低いでしょう」 (ナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師)