スポーツ

東京五輪ラスト1枠争い 大迫vs設楽やシブコvs鈴木愛

シンデレラ・スマイルが東京五輪でも見られるか(写真/GettyImages)

 東京五輪の代表内定に向けた選考レースが佳境を迎えている。新進気鋭の選手も、前回五輪の王者も関係ない。限られた枠を巡る争いを、ノンフィクションライターの柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
 五輪を前に最後の1枠を巡る代表争いが、熾烈を極めているのが男子マラソンだ。昨年9月のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)を制した中村匠吾(富士通)と2位の服部勇馬(トヨタ自動車)が内定。残された1枠は3月1日の東京マラソンと同8日のびわ湖毎日マラソンで争われるものの、代表入りには「日本記録(2時間5分50秒)の更新」という条件が付く。

 もし達成者が出なければ、日本記録保持者である大迫傑(ナイキ)が3枠目に飛び込むレギュレーションである。タイムとの勝負にもなるため、起伏が少なく好タイムが狙える東京マラソンに大迫や設楽悠太(ホンダ)ら有力選手が集中する。

「MGCがあんな結果(27選手中最下位)でしたから、そっと静かに応援してあげたいという心境です。最下位になったことは、今までの競技人生でなかったこと。本人は意外にも明るく前を向いていました」

 そう話したのは、2018年のアジア大会金メダリストである井上大仁(MHPS)の母・康子さんだ。「4強」の一角としてMGCに出場した井上は、スタート直後から出遅れ、地元の長崎でテレビ越しに見守っていた両親は、ほとんど画面に映らない息子を案じていた。

「子どもの頃、球技が苦手で、短距離も遅く、運動が得意ではなかったんです。中学に入って始めた陸上で、自分の居場所を見つけた。東京マラソンは記録との勝負。目的ははっきりしているのだから、中学生の頃のように、楽しく走ってくれたら……」

 崖っぷちに立つ井上は家族で好んで履いていたアシックス社製ではなく、長距離界で猛威を振るうナイキ社の厚底シューズでラストチャンスに臨む。

関連記事

トピックス

『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト