覚せい剤などを所持していたとして逮捕されたシンガー・ソングライターの槇原敬之容疑者(50)。
これまで数多くのヒット曲を世に送り出してきたうえに、昨年10月から「デビュー30周年イヤー」に突入しており、今年はカバーアルバムやベストアルバムの発売、ライブツアーなど予定が目白押しだっただけに、その代償は計り知れない。損害は10億円を超える見込み──との報道もある。
すでにテレビ局では、槇原の楽曲をオープニングに使っていた『じゅん散歩』(テレビ朝日系)、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)で曲を差し替えて放送するなど素早い対応策を取っている。
さらに、昨年10月に発売された30周年記念第1弾のカバーアルバム「The Best of Listen To The Music」や、12月に発売されたライブDVD&Blu-ray(Makihara Noriyuki Concert Tour 2019)の自主回収の検討も今後行われそうだ。
昨年3月にコカインを使用したとして逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧の時もそうだったが、アーティストが逮捕されると、またぞろ湧き起こるのが、“音楽や映像作品に罪はないのでは?”という議論だ。
槇原も過去にはSMAPに提供した「世界に一つだけの花」が平成で最も売れた楽曲として300万枚超えを記録し、高校や中学の教科書にまで載る名曲だけに、過去の作品に遡ってまで回収や撤去、削除を行うのはいかがなものか──とする意見は多い。
音楽評論家で尚美学園大学副学長の富澤一誠氏もこういう。
「今やっていることや、これから出すCD発売やライブ中止など直近の活動を自粛するのは仕方ないことだと思いますが、彼が過去に発表した楽曲自体は、人々の思い出や記憶に刻まれていて色褪せません。そうした昔の作品まで引き上げてしまうのは、やり過ぎだと思います。『過去に累は及ばない』ということで良いのではないでしょうか」