ライフ

欽ちゃん直伝!「マヌケ」な自分を認めれば人生は好転する

欽ちゃんの至言に耳を傾けてみよう(撮影/榊智朗)

 世の中はどんどん不寛容な方向に動いている。このままでいいのか、と感じている人も少なくないのではないか。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 人生は、なかなか思った通りにはいきません。仕事でミスをして部下に白い目で見られたり、たまに勇気を出して家族に話しかけたら冷たく流されたり、立ち飲み屋でチューハイを頼んだのにレモンハイが出てきたり……。だからと言って、やるせなさを溜め込みすぎると、周囲や世の中に怒ってばっかりの困ったおっさんになってしまいます。

 そんなときは「おっと、マヌケなことやっちゃった」「あらら、マヌケなことになっちゃった」と呟いて苦笑いすれば、それで大丈夫。自分を責めて落ち込んだり、誰かに怒りを覚えたりする必要はまったくありません。

〈たいていの失敗は「マヌケだね」で済んじゃう。たいていの悩みも「マヌケだね」で片づいちゃう〉

 これは萩本欽一さんの最新刊『マヌケのすすめ』(ダイヤモンド社)にある言葉。笑いで私たちを救ってくれている欽ちゃんが、今度は「マヌケ」で私たちを救ってくれる本を出しました。何を隠そう、不詳石原、ほんの少しお手伝いしています。

 子どもの頃からの憧れの存在である欽ちゃんが、目の前で「マヌケ」についての持論を展開し、二郎さんや清六さんやパジャマ党のマヌケな秘話を語ってくれている──。そのこと自体も、欽ちゃん直伝でマヌケの素晴らしさを学べたのも、とても幸せな体験でした。

 今の世の中や今の私たちにもっとも足りていないのは、たぶん「マヌケ」です。常に鵜の目鷹の目で誰かの失言や落ち度を探し、標的を見つけると罵詈雑言を投げつける。自分が標的になるのが怖いから、表面を必死で取り繕い、さりげなく他人を批判して矛先をかわす。もしかしたらあなたも、無意識のうちにそんな毎日を送ってはいないでしょうか。あらためて考えると、じつに不毛で極めてくだらない構図です。

 それもこれも「マヌケだと思われてはいけない」「マヌケなことをしてはいけない」と思い込んでいる人が多いから。誰しも本当はマヌケなのに、みんなそれを無理に隠そうとするせいで、世の中はどんどん世知辛くなり、寛容さが失われ、仕事も人間関係も窮屈になっています。

 このままでは夢も希望もありません。世の中をひっくり返すのは容易ではありませんが、とりあえず自分をひっくり返せば、似たような効果があるはず。ここは欽ちゃんがすすめてくれている「マヌケ」の力にすがりましょう。まずは「しょせん自分はマヌケな人間なんだ」と認めることが、人生を好転させる第一歩。

 その上で、せっかくのマヌケを生かすには、いくつかのコツがあります。本にある欽ちゃんの言葉から、運や幸せを引き寄せる「いいマヌケ」になるコツを探ってみましょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン