国内

ペスト、赤痢菌… 北里柴三郎ら日本人研究者の戦いの歴史

野口英世は黄熱病で命を落とした(写真/共同通信社)

 今回の新型コロナウイルスに限らず、人類はさまざまな感染症と戦ってきた。14世紀の欧州で猛威を振るったペストの致死率は60~90%にも及び、当時の欧州人口の半数にあたる数千万人が死亡したと推計されている。

 この病原体との闘いに大きな貢献をしたのが日本人研究者たちだ。

 19世紀末から20世紀初頭にかけて日本でもペストの流行が幾度も起きた。明治政府はその対策として、破傷風菌研究の世界的権威・北里柴三郎に白羽の矢を立てた。ペストが蔓延していた香港に派遣された北里は、助手や他の研究者が感染して倒れるなか、世界で初めてペスト菌を発見するという偉業を成し遂げた。

 有史以来7度のパンデミック(感染爆発)を引き起こしたコレラの撲滅に大きな貢献をしたのも北里だ。世界初のコレラ血清療法を確立したうえ、1916年にはコレラワクチンも完成。数十万人に接種された。

 19世紀末に、結核やコレラなどの原因菌が次々に発見されるなか、正体がつかめないままだったのが赤痢菌である。日本では1897年に大流行し、9万人が感染。致死率は25%に達した。この赤痢菌を世界で初めて発見したのが、北里から直接指導を受けた志賀潔だ。北里から赤痢の病原菌探索を指示されると、志賀は下宿を引き払い、研究室に住み込んだ。日々、感染の危険に晒されながらも患者の便を顕微鏡で粘り強く調べ続け、発見に至ったのである。

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン