御年89歳、全国最高齢県議の“元気すぎる辞職劇”である。カラ出張を繰り返し政務活動費計約280万円を不正受給した疑いが浮上していた福井県の石川与三吉・県議(自民)が、2月12日に辞職した。あの“号泣”野々村竜太郎・元兵庫県議と同じ“手法”だ。
報道によれば、石川氏は2013~2016年に、地元・敦賀市の「塩浜工業」が請け負う県外の工事現場を44回視察したと装ったが、報告書に添付された写真や担当者の名刺は塩浜工業側から提供されたものだという(塩浜工業は「その件については調査中です」と回答)。
疑惑が発覚してからの石川氏の説明は二転三転。
8日の福井県議会事務局の聞き取り調査に石川氏は「すべて実際に行った」と主張していた。しかし、12日に開いた会見では、カラ出張を認めて不正受給した政活費を全額返還すると発言。さらに「事務所の80代事務職員が勝手に知らない報告書を提出していた」と自身の関与を否定した。一貫性のない説明については「事務員を信じていたので報告書があるなら行ったのだろうと思った」と弁明した。
記憶があやふやなのは高齢がゆえなのか……。同県の西畑知佐代・県議(民主・みらい代表)は、石川氏の県議としての仕事ぶりについてこう話す。
「現職の都道府県議では最高齢で、自民党が多勢の福井県議会の自民党会派で7期務める重鎮ですが、議会には朝一番乗りで、敦賀から自分で運転してきていました。しっかりした優しいおじいちゃんという感じの方です」