日本人観光客が多く、「親日」のはずのハワイで、こんな“事件”が起きた。ある日本人男性がタクシーに乗り込むと、乗客が日本人だと知った運転手はすかさず医療用マスクをつけ、こう言い放った。
「あなたは乗せられない」
南太平洋のミクロネシア連邦、サモア、ツバル、キリバスとインド洋のコモローの5か国はもっと厳しい。ここ数日前から、日本からの入国を制限しているのである。
これが世界から見た日本。日本は新型コロナウイルスの“第2の感染震源地”として世界中に忌避される存在になりつつある。新型コロナウイルスは、確実に日本に蔓延し始めている。
乗員・乗客約3700人のうち540人以上の感染者を出してしまった豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。2月19日からは、高齢者を中心とした乗客らの下船も始まった。それ以外の国内感染者も50人を超えた。
政府は「日本でアウトブレイク(集団感染)が起きている」と認識されることを懸念し、クルーズ船の乗客を国内感染者から意図的に除外するが、これはただの数字のごまかしに過ぎず、実質的に日本は中国に次ぐ感染大国なのだ。
ナビタスクリニック理事長の久住英二さんは、政府の初動のまずさを指摘する。
「当初、加藤勝信厚労相は『定常的な人から人への感染は起きていない』と発言していましたが、中国ではすでに起きている。なぜ日本だけ起きないのか。誰にでもわかる“嘘”を重ねたことで、政府に対する不信感が高まりました。クルーズ船の対策も同じ。船内に隔離したのは、重症化しやすい70才以上の乗客1000人以上もいるのにウイルスをまぶしたも同然の判断ミスです。政府はやってはいけないことを連発してしまった」
妻とともに、ダイヤモンド・プリンセス号に乗船した平沢保人さん(65才)は、政府の対応に強い不満を持つ。