異例の再放送が“合格点”の視聴率を取ったことで、テレビ界の慣習が変わるか──。2月19日、テレビ東京はゴールデン帯で『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 特別編!新宿~新潟ふれあい珍道中』を放送した。タイトルだけを見れば新作と思われるかもしれないが、実は2013年1月5日にオンエアされた太川陽介、蛭子能収コンビの『バス旅』第13弾。番組冒頭で太川陽介がコメントをしただけで、実質的な再放送だった。
テレ東の水曜18時55分~21時は現在、毎週2時間スペシャルが放送されている。元を辿れば、昨年4月に『太川蛭子の旅バラ』が水曜の19時台に1時間番組として始まった。しかし、19回中12回は2時間スペシャルとしてオンエア。蛭子能収の体力的な問題もあって12月で終了した同番組の穴埋めとして、再放送されたと考えられる。
そもそも、『バス旅』自体が蛭子の健康状態を考えて、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』として田中要次&羽田圭介のペアに移行したのに、太川蛭子コンビの人気に頼って『旅バラ』を再開したことに無理があったのかもしれない。
再放送の『バス旅』は6.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)を記録。同日の地上波19時~21時で最も低い数字だったが、フジテレビの19時台『何だコレ』は6.8%、20時台『林修ドリル』は7.1%であり、テレ東としては悪い成績ではない。
その証拠に、テレ東の水曜2時間スペシャルの視聴率を調べると、再放送の『バス旅』は今年3番目に高い数字である(※1月1日の『池の水ぜんぶ抜く』は4時間スペシャルのため、除外)。1月15日『笑われるニホン人』が2.4%、2月5日『ロケスケ流出ふれあい旅』が3.2%だったことを考えると、制作費がほとんど掛からない再放送での6.2%は十分過ぎる数字だろう。2019年12月25日の『旅バラ』最終回も6.7%であり、御の字だと言える。