王貞治・ソフトバンクホークス球団会長は79歳となった今も、球界の未来のために精力的な活動を続けている。年初にテレビ番組で発言した「プロ16球団構想」は大きな話題となった。同時代に活躍したレジェンドたちが次々と鬼籍に入る中、“世界の王”がこれからのプロ野球選手に求められるものを語った。
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(16球団構想について)もちろん、プロだから採算の問題はある。僕はお金のことは専門外ですが、経済や経営の専門家に任せればいい。メジャーリーグだって、当初は16球団だったのが30球団になった。アメリカの野球界は自ら門戸を広げたわけです。今までの日本球界はどちらかというと「待ち」だった。これからは、来る者は拒まずではなく、自分たちから投げかけていくべきです。
何より「野球をやりたい」と思っている選手は多い。独立リーグの選手が増え、ソフトバンクのように三軍があると、給料が安くても上を目指して頑張る選手がいる。
そうやって育成した選手から、千賀(滉大)や甲斐(拓也)のように年俸が億を超える選手が出てきた。周東(佑京)や、牧原(大成)、石川(柊太)も活躍して、自分の夢を叶えようとしている。他球団も育成選手を多く抱えるようになりました。
それに「将来はプロ野球選手になりたい」と思っている子供たちにもチャンスが広がります。高校生や大学生にとっても受け皿は多いほうが絶対にいい。若い人を育てる指導者にとっても、自分の教え子がプロの世界に入るのは嬉しいし、指導にも熱が入る。裾野が広がることで、球界にも新たな人材が出てくる。
たとえば、昨年のプレミア12で“代走のスペシャリスト”として活躍した周東のように、一点に特化する選手が出てきた。すべての能力で60~70点の平均点をとる選手よりも、自分の得意なところで90点以上を取れる選手が求められるようになっている。