芸能

『テセウス』『10の秘密』に残酷なまでの明暗、その理由は?

竹内涼真主演で話題の『テセウスの船』(公式HPより)

 医療モノや刑事モノが多い今期ドラマにあって、長編ミステリーというジャンルに挑んだ2作が『テセウスの船』(TBS系)と『10の秘密』(カンテレ、フジテレビ系)だ。だが、この2作品、視聴率でも、ネット上の評価でもはっきりと明暗が分かれてしまった。その違いはどこにあるのだろうか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 2020年1月スタートの冬ドラマは、プライム帯(19~23時)に放送される16作のうち、医療現場が舞台のものが6作、刑事事件を扱ったものが6作放送され、その大半が一話完結型の物語であるなど、これまでにないほど作品ジャンルと構成の偏りが見られます。

 偏ったことで必然的に注目度が上がったのは、『テセウスの船』と『10の秘密』の2作。どちらも近年「視聴率が獲れない」と言われ、めったに見られなくなった長編ミステリーであり、その点で文句なしの意欲作です。

 しかし、1か月あまりが過ぎた今、残酷なまでの明暗が分かれてしまいました。序盤は両作とも放送日にネット上の話題を席巻していたものの、中盤に入ると『テセウスの船』が「今期最高のドラマ」と言われ、犯人の考察で盛り上がる一方、『10の秘密』は書き込みそのものが減ってしまったのです。

 視聴率に目を向けても、『テセウスの船』は第1話から11.1%、11.2%、11.0%、11.0%、11.8と安定し、最新話が自己最高を更新。新作ドラマの中で『トップナイフ -天才脳外科医の条件-』(日本テレビ系)と熾烈な首位争いをしています。一方の『10の秘密』は8.9%、7.9%、6.7%、6.2%、5.4%、6.4%と1桁中盤で停滞。とりわけ2月に入ってからプライム帯で放送される民放ドラマの最下位に陥り、「視聴率が下げ止まらず」「打ち切り寸前」と報じられるなど厳しい結果となっています。

 なぜ「今期最高と書き込み減」「視聴率首位争いと最下位」という残酷なまでの明暗が分かれてしまったのでしょうか。

熱演が評価されている竹内涼真(Imaginechina/時事通信フォト)

熱演が評価されている竹内涼真(Imaginechina/時事通信フォト)

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン