これまで多くの人気アナウンサーを輩出してきたアナウンススクール「テレビ朝日アスク」。名前の通り、テレビ朝日が優秀なアナウンサーの育成を目的として1999年に設立したスクールで、昨年はテレビ朝日の下村彩里アナやTBSの近藤夏子アナ、フジテレビの藤本万梨乃アナなど講習生が全国で100人以上もテレビ局にアナウンサーとして入社している「超名門」だ。
そのスクールに12年前から開講されたのが「気象予報士養成講座」だ。なぜ、アナウンススクールが気象予報士の育成に力を入れているのか。事業統括本部長の川瀬眞由美氏がその理由を明かす。
「気象予報士制度が1994年から導入され、気象予報士が国家資格化されました。資格を取得すれば一般の人でも天気予報ができるようになったことと、時代的に気象報道の重要性が求められていたため、テレビ局のノウハウのあるアスクの強みを活かそうと考えました。難しい気象をただ暗記させるのではなく、分かりやすく楽しみながら受けられる講座を目指して開講したのです」
講師にはアスクのその趣旨に賛同した元気象庁の予報官・平沼洋司氏を招き入れた。去年の受講生には女子アナ志望の女性たちの他、テレ朝の社員もいたという。平沼氏が受講生について振り返る。
「気象コーナーを担当することになった男性が受講しに来ていました。キャスターが受講することはあっても、制作スタッフが来たことはなかった。気象報道に関わる皆さんの意識が高まったと感じています。これまでの合格者の中には、勉強しているうちに気象が好きになり、気象庁に就職された方もいます」