「原宿のとあるアパレルショップから1人の店員が消えた。全然出勤していないみたい。その前には、どう考えても症状が出ていた」
「銀座の老舗クラブで働く女性もここ最近、店に姿を見せなくなった。体調が悪そうだったが、店側が女性を自宅待機にさせているらしい」
ここ最近、都内繁華街では、“行方不明”になった人たちの情報が飛び交っている。2人とも新型コロナウイルスの感染が疑われる症状が出たが、医療機関で検査を受けていない。ひたすら自宅で“隔離”を続け、症状が治まるのを待ち続けているという。ウイルス拡散の恐怖が広がるなか、この2人のケースは決して例外ではない──。
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猛吹雪で、最低気温がマイナス13℃に達する北海道・中富良野町。旭川空港から車で約45分、人里離れた人口約5000人の町。夏はラベンダー畑が観光名所になり、外国人観光客の誘致にも積極的だ。
2月21日、その中富良野町に激震が走った。小学生の兄弟2人が、新型コロナウイルスに感染した。
「中国の研究チームが“子供には感染しにくい”と発表していただけに、関係者は大きなショックを受けました。兄弟は町内の中富良野小学校に通う小5と小3で、海外への渡航歴はなく、新型肺炎患者との濃厚接触も確認されていない。現時点(2月25日)で感染経路は不明です」(地元紙記者)
のどかな町を襲った急変に地元住民は戦々恐々とする。
「なんでこんな何もない田舎町で、新型コロナウイルスに感染するのか。この辺りは近隣の富良野から観光客も来るから、そこからうつったのか…」(80代男性)
70代男性も不安を隠せない表情でつぶやく。
「普通に暮らしていたらウイルスと接触するわけない土地柄だけど、2月4日から11日まで札幌で『さっぽろ雪まつり』が開催されていたから、兄弟はそっちに行っていたのではないか」
兄弟の通う中富良野小学校は、感染発覚後に約200人の児童を緊急下校させて校舎を消毒した。さらにほかの児童が感染していないかを経過観察するため、3月3日まで臨時休校する。
騒動は学校内にとどまらず、感染拡大を防ぐため町内で開かれるイベントが軒並み中止となり、特別養護老人ホームの面会や社会福祉協議会によるデイサービスなども取りやめとなった。
住民の関心の的は、兄弟がどこで感染したかだ。前述の通り、「雪まつり説」が流れる。しかし、兄弟の同級生の父親は、こんな話をする。
「あの子たちは明るくて活発で、毎週末、友達らと一緒に地元のスキー場に通っていました。年明けから何回も行っていて、2月に入ってからは週末に2日連続で行っていた。そこでスキーをしていた中国人の観光客と接触したのでは?という声もあります」